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ロンドン・テロ第2波 僕の一日(その2) [ロンドン同時多発テロ 現地レポート]

昨日からつづく)

空港近辺を除くとそこまで渋滞もひどくなかった。とはいえ結局、ヒースローに着いたときには夜7時をまわっていた。飛行機の出発時間は9時なので、とにかく飛行機に間に合って良かったと一同ほっとする。家族と軽くサンドイッチを食べたあと、出発ゲートで両親を見送る。

さて僕たちも帰路につこうか。ヒースロー空港ターミナル4だったので、まずはヒースロー・エクスプレスに乗ってターミナル123駅で降りる。ヒースロー空港内の2駅間はだれでもただで乗車できることになっているが、ヒースローからパディントンまでたったの15分にもかかわらず14ポンド(約2800円)もする高級列車。折り返す列車が駅に到着するとセキュリティー・チェックがあった。乗車する前に全ての扉を閉めて車内を検査する。車内清掃員たちも緊張した面持ち。僕たちも緊張して列車に乗り込む。あとになって、そのままこの電車に乗っておけば良かったと後悔する事になるのだが、、、。

ヒースロー・エクスプレスのターミナル123駅から空港ターミナル1に向かい、そこからバスでロンドンまで戻る予定だった。バスの時間を聞くと、つぎの便まであと40分以上ある。地下鉄の駅を見に行く。地下鉄のヒースロー空港ターミナル123駅は閉鎖。ピカデリー線をはじめ多くの線が不通になっている。聞いた事のない国鉄の駅まで代替無料バスが出ている。代替バスでしらないところにいってみるのもおもしろいが、さすがにくたびれていたので、空港バスで戻ることにする。運行状況を尋ねると、キングスクロス、ユーストンへのバスは再開されておらず、ビクトリア・コーチ・ステーション行きのみ。ビクトリアからカレドニアン・ロードまでは直通するバスはなく、途中で乗り換えなくてはいけない。しかも一人10ポンドかかる。これだったらパディントンまで行くヒースロー・エクスプレスに乗っていた方が良かったではないか。それも後の祭り。最終的には空港から家まで2時間半ほどかかることになった。


閉鎖された地下鉄ヒースロー・ターミナル123駅。駅員が代替ルートの説明におわれている。


「警戒のため、ほとんどの地下鉄線が不通になっています」との掲示。代替ルートが書いてあるがあまり役に立ちそうにない。

ビクトリア行きのバスは、本来のNational Expressのバスではなく、どこかの民間会社から急きょ借りてきたようなおんぼろバス。ビクトリア・コーチ・ステーション(バスターミナル)からヴィクトリア駅に行き、そこから73番のバスに乗る。トッテナム・コート・ロードにさしかかる辺りで、運転手から「この車はグッジ・ストリートには止まらず、迂回してラッセル・スクウェア経由でユーストンに向かいます」との放送。トッテナム・コート・ロードは北に向かう道が完全に封鎖されていて、その先のウォレン・ストリートで爆破事件があったことを物語っていた。キングス・クロスで乗り換え。91番のバスに乗る。バスの中で若い黒人男性と老齢の白人女性が話をしている。どうやらこのおばあさんは普段乗り慣れないバスに戸惑っているらしく、若者の方は彼女に代替ルートを説明したり、後続のバスの方乗客が少ないからと教えたりしている。どこにでも親切な人はいるのだ。こういう時はなおさらこういった光景に心が和む。

家にいればテレビから刻一刻と情報が入ってくるが、そうでない時、しかも街に出てからそういうことをしる時は不安なものだ。それでも、親切なタクシー運転手たちに元気をもらい、目の前で展開される小さな親切に胸を打たれ、両親も満足して帰路についた。疲れたが、今日はいい日だった。

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コメント 2

kazumi

長い一日だったでしょう。
ご両親も驚かれたのではないでしょうか。
写真、文章からも移動するのに苦労したのがうかがえます。
早く平穏な日が戻ることを願っています。
by kazumi (2005-07-22 23:15) 

三平太

ありがとうございます。実際に街の中にいたので、街の様子がおかしいので何かが起こっていることはわかるのですが、結局僕も両親もいったい何が起こっているのかわからずじまいでした。
by 三平太 (2005-07-23 00:57) 

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