大きな木
なだらかな丘にぽつんと、そしてどっしりと根を張る大きな木がある。周りは一面に緑の田園でのんびりとした時間が流れている。
大きな大きな木。子供たちが何人も手をつないで、太い幹のまわりをとりかこむ。見上げるとからだが両の手を支えるように、たのもしく枝が空へ伸び、その間にまばゆい太陽の光をこぼしながらさらに緑の葉を茂らせている。
あたたかい風が吹く春に若芽が吹き、天いっぱいにこれでもかと緑色の葉をひろげる夏。涼しい風にしばし休息する秋。葉を落とし茶色い木の幹をあらわにする冬。雨の日も、風の火も、炎天も、吹雪の日にも何百年もここにたって見下ろしてきた。
そしていま、自分がこの大きな木であると観じる。この木は多くのものを引き寄せる。うさぎ、たぬきといった動物達があらわれる。回りには色とりどりの花が咲き、蝶や蜜蜂が舞う。木陰で一休みするひと。遠足でお昼を食べるひとたち。原色の服を着て歓声を上げながら走り回るこどもたち。花見の宴会のようにとりわけにぎわうひととき。
わたしは万人のためにある。この木はすべてを持っていて、訪れる人を潤すだろう。足りないものは、その都度その都度に誰かが持ってきてくれる。
<今日のひとこと>
人の気持ちが分かるというのはせつないことだ。
我が家の裏庭の木々は、音で天気を知らせてくれます。
その音を聞きながら私は一日の行動を考えます。
なんだか安心します。
私は自分をイルカに思う事がある。
海の中から光のカーテンが揺らめくのを見ながら
水面を見上げると何とも言えない充実感があります。
北の海でも南の海でもサンゴ礁でも深海でも
スイスイ泳げる感じがして、
その時、自分の魂と肉体は確かにぴったりと一致してるのです。
by makiri (2005-10-28 00:50)
> 人の気持ちが分かるというのはせつないことだ
本当にそですね・・・。分かるような気がします。
その都度その都度誰かが・・・。ボクも何時もそれは感じています。共感・・・。
by asayan (2005-10-28 00:54)
makiriさん。木々の音、安心の音ですね。素敵ですね。いるかってイメージいいですね。僕も他の生き物になるならイルカかも。それか鳥ですね。
asayanさん。コメントありがとう! この感じは、じつは僕にとっては結構新しい感覚なんです。昔からあったのですが、形を変えて、今確信にかわりました。
by 三平太 (2005-10-28 23:25)