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卒業判定会議と夕食会(1) [ロンドン生活]

今日はうちの学科の4年生の生徒と先生達で会食があった。卒業を前にして大学が生徒に食事を振る舞うというのは、ロンドン大学SOASの中では中国語科のみの恒例行事だ。5時から大学の本館の一室にて、紅白ワインやジュースなど飲みものが出され談笑する。その間、うちの学科の担当教授が一人一人生徒を廊下に招きだして、それぞれと成績のことについて微妙な会話を交わす。

それというのも、この会食に先がけて、学科内での成績の判定会議が今日行われていた。つまり、我々が到着しているこの時点で大学の総合成績は「確定」しているわけだ。4年生にとってはまさに卒業判定会議にほかならない。というわけで、どうしても集まっている先生達の顔色が気になる。しばらくすると俺の番がきた。手招きする教授に従って廊下に出る。

教授 「んー。どう思う?」
俺 「どう思うといいますと、、、?」
教授 「いや、ほら、成績のことだけどね」
俺 「卒業時の総合成績のことですか?」
教授 「うん、そうだね。どう思う?」
俺 「うーん、『優』がとれていれば最高ですし、『良』であっても満足です」
教授 「なるほど、そうだね、そのいずれかである可能性は極めて高いね。そのうち前者である可能性も高いね」

この時点で、教授の顔も少し赤らんでいて、俺も多少酔っぱらっているので、微妙な会話がさらに微妙になる。ポケットから小さく折り畳まれた紙を開いてちらちらと眺めながら、にこにこと話しかける。

教授 「ここに書いてあるんだけど、見せられないからねぇ」

最終試験の結果は6月30日に校内に掲示されることになっている。あくまでもそれが公式の発表であり、生徒は最終的にはその日を待たなければならない。ただ、中国語科に限っては、正式な発表の前に教師と生徒が夕食をともにし、非公式に結果を「ほのめかす」というのが伝統となっている。つづく


草サッカーと犬の小便 [ロンドン生活]

試験が終わって自由になったので、いろいろと新しいことに挑戦してみる。心の余裕が出来るというのはいいことで、いろんな刺激が心地よく、新鮮に入って来る。新しいことといえば、先日のボウリングもそうだった。ボウリングがこんなに楽しいスポーツだったとは! 

さて、草サッカーだ。サッカーなんて高校を卒業して以来一度もやったことがない。小中高と運動系のクラブに所属したことのない俺。スポーツといえば、20歳を超えてから北海道在住時代にスノーボードを始めたり、30歳を超えてからの台湾時代には、青年公園や台湾大学の屋外50メートルプールに通って毎日1000メートル以上泳いだりしていた。が、そうしたわけか、ロンドンでは運動しようという気にならなかった。秋から冬、そして春に至るまで、天気は概して陰うつで、風は吹き寒いことこの上ないくせに雪は降らないし、だいいちスキー場自体がない。夏といっても、太陽がさんさんと照りつける海岸で、一日中泳ぎ疲れることができるほどの暑さはない。

そんなことは、まぁ、いい。イギリスに対する文句もそろそろ言い納め(笑。それももはや全て過ぎ去り、移ろいゆくこと。今は帰国までに与えられた時間で、特別すばらしいと言われる「イギリスの夏」を2ヶ月十分満喫して、あとは帰るだけなのだ。

サッカーのはなしだった。中国人のZくんがターンパイク・レーンの駅まで迎えにきてくれる。彼の家に行く途中、朝っぱらからチーズバーガーとチップス(フライドポテト)を買い、サッカーやる気満々。Zの家の住人はみなロンドン大学SOASの日本語科の生徒で、今年の9月から日本各地の大学に留学することになっている。イングランド人のCの朝ご飯はマーマイトを塗ったトーストとミルクティー。イギリス人の中でもマーマイトが好きかどうかというのは、好みが大きく分かれる。

さて、みんなそろったところで彼らの家の近くの公園へ。芝生で覆われたロンドンによくある普通の公園。ラグビー、サッカー兼用のゴールがひとつある。サッカーなんてルールさえもよく覚えていないので「オフサイドォ」とか言われたらどうしようなどと考えていたのだけど、集まったメンツは全部で9人で、思っていた以上に自由な草サッカーになった。

体力について、今日ほど思い知らされた日はない。走ってもすぐに息が上がるし、ボールを追っかけても足が絡まってこけそうになる。というか、実際こけている。しかも、俺以外はみんな20歳前後なのだ。できるだけ頑張って休憩。ゴールのポールのそばに置いておいたジャケットを取り上げると、どういうわけか濡れている。そういえばさっき、犬を散歩させているおばさんがいた。犬は繋がれておらず、飼い主は「こっちにきなさーい」と叫んでいた。

「やられた」と思った。においを嗅いでみると少し変った匂いがする。さっきの犬がマーキングしていったのだ。ひえー。このジャケットをみんなに回して臭わせてみると、中国人のZが強烈な反応を示した以外は、アイルランド人、イングランド人ともに弱い反応。「なにも臭わないよ」と言うやつまでいる。

「イギリスの犬はひどい!」
「どこでも犬は犬だよ」

たしかにそうだ。イギリスの犬は悪くない。ポールのそばに物を置いたのが失敗だったのだ。太陽が出てきて照らし始める。ジャケットを広げて日光で消毒。一時間後、もう一度においを嗅いでみる。ほとんどにおいはない。Zにも嗅がせる。においなし。

サッカーをしたのは全部で3時間ぐらい。俺はCと一緒に途中で帰った。途中かなりくたびれて来た時「いま何時ぐらい」ときくと、Zが「まだ2時間しか経ってないよ」という。俺はもう4時になっているかと思った。

さて、家に帰る頃には、もう階段を昇るのも大変な状態。家に帰るとうちにいたTくんにジャケットを臭ってもらう。まったく問題なし。いちおう消臭剤をスプレーして干すことに。夕方はチャイナタウンの新龍鳳で大学の友達達とご飯を食べる。このお店、けっこうおいしいような気がした。


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イングリッシュ・ブレックファストとマーマイト [ロンドン生活]

試験が終わってからというもの、頭がぼーっとしている割には、いろいろなところに顔を出したり、いろんなことが起こったりしている。その日に起こったことを思いだして、書きだして、順序立てて、系統づけて、そして自分が一日どういう風に過ごしたかその経過を把握する。もしかしてそういう目的で日記を書いていくのは、毎日仕事を終える前に、自分の机の上を整理して帰るのと同じようなものかも知れない。

さて、昨日は何をしたのだろう、、、。昨日はお昼前には起きたと思う。いや、10時ぐらいには起きてたかな? 前の日、やるのはかれこれ15年ぶりという草サッカーで体中が筋肉痛になり、ごろごろと寝返りを打ったりしてよく眠れなかった。

おかしな大家にいきなり家を追い出され、うちに居候しているTくんと、ホロウェー・ロード近辺で朝食。南米のボリビア人経営ののカフェでFull English Breakfast(イングリッシュ・ブレックファスト・セット)がコーヒー付きで3ポンド(600円)。ベイクド・ビーンズ、ソーセージ、目玉焼き、ベーコンとトースト4枚。ハッシュド・ブラウンと焼きトマトはなかった。イギリスに来たばかりの頃は、どうやったら毎朝、こんなに高蛋白で油っこいものが食えるのか謎だったが、今ではイングリッシュ・ブレックファストの「うまいまずい」まで論じることができるようになってしまった。

さて、Tくんはイースト菌で出来た発酵食品「マーマイトMarmite」が大好きで、わざわざ店の人に出してもらってパンに大量に塗って食べている。笑顔で持ってきてくれるウェイトレス。彼女ももしかしたらマーマイトが好きなのかも知れない。

実は俺はマーマイトが苦手。先日サッカーを一緒にやったイギリス人のCくんは日本語専攻で、今年の秋から大阪外大に一年間交換留学する。サッカーを始める前に食べていた彼の朝ご飯はマーマイトたっぷりのトーストにミルクティーだった。うーん、変った香り、、、。

発酵系の食品といえば、日本の漬物、納豆、甘酒に始まって、台湾の臭豆腐(蒸し>焼き>揚げの順で臭い。さらに臭臭鍋は絶品!)、フランスのチーズ類(ブルーチーズのロックフォールや山羊のチーズ、シェブル)、アイルランドのギネスビールに至るまで、臭い食品を幅広く愛する俺が、マーマイトごときを食べれないはずがない。Tくんに頼んで、俺のパンにも塗ってもらうが「いや、慣れない人は少なめにした方が良い」と言って、少ししか塗ってくれない。

食べてみた。うーん。へんなにおい。マーマイト、やっぱりなくてもいいかな。身体に良いならともかく、イーストって身体に良いのか? 毒なのではないのか?(笑 

子供の時は、住んでいたのがお寺ということもあって、朝食は毎日精進だった。長い海外生活で朝から動物性蛋白質を大量に摂取することにだいぶ慣れてはきたが、この日も途中で気持ちが悪くなってきて、3分の1ほど残してしまった。

そのあと僕たちは、近くのウェイトローズというスーパーに買い物に行った。Tくんはジャムやピーナツバターの売り場でマーマイトを見つけてにこにこしている。彼はここには売っていない「特大サイズ」のマーマイト瓶を持っているのだそうだ。日本に帰る時もその特大サイズを買って帰るといって目を輝かせていた。


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大学の最終試験終了 [ロンドン生活]

2005年6月2日、ロンドン大学・東洋アフリカ学院(SOAS)での最後の試験が終わった。こんなに長い間、海外での留学をよく頑張ったものだと自分を褒めてやる。

試験が終了すると、自分の顔の中に微笑みがあふれだしていることに気づく。本当に終わったのだ。

大学内のパブ(通称「学パブ」)でビター・ビールとスタウト・ビール(ギネス)を1パイントずつ飲み、大いにリラックス。うちの学パブもこんなに楽しいところだったのかと、ふと思う。試験の終わった友達や、SOASの卒業生たちとグッジストリートのタイ・レストランで食事。その後は、最近隠れ家的な存在になっている大学近くの友達の家に行き、リンゴ味の水パイプを吸いながら朝までおしゃべり。

試験が終わるまでの緊張と、終わったあとの解放感があまりに違いすぎて、少し途方に暮れてしまう。とは言いつつも、試験は終わった。時間が過ぎるのがあまりに楽しくて、闊達だった中学高校時代を思い出す。忘れていた感覚、いい意味でのバンカラっぽさはいいものだと思う。

卒業判定会は6月20日。その日の夕方、大学は我々を夕食会に招待し、中国語科の先生達と会食することになっている。


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